海外旅行に英語力は必要か

これまで縁遠かった海外旅行も、安価な航空券をスマホで簡単に手配できる時代になり、「海外を自由に旅行したい」という人も増えているのではないでしょうか。でも、海外旅行初心者にとって「言葉の壁」の問題は非常に大きいものです。そこで、海外旅行で必要とされるコミュニケーションスキルについて、紹介したいと思います。

ちなみに日本のパスポートは2018年現在、世界最強です。日本人ってだけで、ほとんどの国に顔パス同然で入国できちゃうんです。そんなすごいパスポートをいつまでもタンスの奥に眠らせてたら罰が当たります。ぜひ「言葉の壁」を克服して世界を飛び回りましょう。

結論から言えば、海外旅行にはそもそも「英語力」は必要ない

いきなり結論に達しますが、海外旅行に英語力は必要ありません。高校でロクに英語も勉強せず、大学にも行ったことがない私が言うんだから間違いありません。(ちなみにTOEICスコアは300点台)厳密には、多少の英語力は必要ですが、義務教育を修了している日本人は最低限の英語の素養はあるということです。なぜなら、我々が話す日本語には英語由来の外来語が非常に多いからです。学校で習う基本的なフレーズさえ理解すれば、日本人はある程度意思疎通できる英語の素養を身に着けています。

外国に行っても「英語は外国語」

とはいっても、アメリカの映画やTV番組の英語はほとんど聞き取れない人が大多数だと思います。でも、安心してください。そもそも英語ネイティブの国は、世界的にみるとごくわずかしかありませんので。世界中、ほとんどの国の人にとって「英語は外国語」なのです。文法が違ってようが、単語の羅列であろうが、学校の英語の授業のように怒られることはありません。無論、英語が苦手だからって馬鹿にされるようなことはことはまずありませんから、とにかく知っている単語を発することがカギになります。

英語が必要とされるシーン

普通の観光旅行であれば、英語が必要とされるシーンはだいたい限られています。食って寝て帰りの飛行機にたどり着ければ、現地でのたれ死ぬことはありません。そこで、移動、宿泊、食事にかかわる5つのシーンについて、簡単なコミュニケーション方法を紹介します。

①空港・飛行機

島人日本人。まずは飛行機に乗れなければ話になりません。でも、簡単です。飛行機を予約していれば、パスポートをチェックインカウンターで差し出すだけです。荷物を預けるか(check-in baggage)機内に持ち込むか(carry-on baggage)座席(seat)は通路側 (aisle)か窓側(window)かぐらい覚えておけばスムーズです。飛行機に乗れば、機内食を勧められます。たいていは、「fish or chiken」などと聞かれ、2~3種類から選べることが多いのですが、聞き取れなければ、実物を見せてくれますので、好きなのを選びましょう。飲み物も、指差しでOKです。コーヒー、オレンジジュース、ビール、ワインはだいたいどの飛行機にもあります。現地到着後、入国審査があります。多くの国では特に審査官との会話はありませんが、いくつか簡単な質問を投げかけてくる国もありますので、事前に調べておくことをお勧めします。ちなみに海路(フェリー)を使う場合も手続きはそんなに変わりません。むしろ荷物を預けなくていいので、シンプルです。

②鉄道

各国の主要な空港には、都市鉄道が乗り入れていることが多いです。最初に切符を買う必要がありますが、これも難しくはありません。窓口の人に行き先と人数を伝えるだけです(For Downtown station.1personなど)発音が難しい地名の場合は、地図を見せてあげると良いでしょう。また券売機を使う方法もあります。券売機は初期設定が現地語になっています。まずは英語に切り替えるボタンを探しましょう。意外と、日本語に対応していることも多いですよ。あとは駅名と人数をタッチするだけです。※券売機の使い方や、改札の通り方は国によって違うことがあります。これも事前に調べることをお勧めします。

③バス、タクシー

運転士のおじさんや、バスターミナルの窓口に目的地を伝えるか、地図を見せてみましょう。なお、途上国のタクシーは白タクやぼったくりのリスクがあるので価格相場や業者をよく調べておいてください。

④ホテル

多くの旅行者は、まずホテルを目指すでしょう。ホテルでのチェックインも、基本的にパスポートを差し出すだけです。朝食サービス(breakfast)や休憩(coffee or tea)を勧められることもあります。チェックイン時刻前で、荷物だけ預けたい場合は、荷物を指さして(Please keep my baggage)などと言えばよいでしょう。ゲストハウスのような安宿でも同様です。しかし安宿は深夜早朝にスタッフがいないこともありますので、早朝チェックアウト(early check out)の仕方を確認するのがおすすめです。※どうしても不安なら、完全日本語対応の日系ホテルがおすすめです。

⑤レストラン

最も苦労するのがレストランです。最初は、あまりローカルなレストランは選ばず、観光客向けの繁華街にあるレストランを探しましょう。店に入ると、人数を聞かれ、テーブルに案内されます。メニューは現地語のことが多いですが観光地であれば(English or Japanese menu!)といえば、読めるメニューを持ってきてもらえます。ただ、海外のメニューというのは論文のごとく文字が羅列されていて、写真が少ないことが多いので戸惑うかもしれません。わからなければ、おすすめ(Which recommend?)や周りの人が食べてるものを指さして(Please same one)とでも言えばよいでしょう。特定の料理を目的として来店したお店なのであれば、料理の写真を店員に見せると良いです。会計時は(Please check)などと言うか、紙幣やカードを掲げて店員にアイコンタクトすれば、反応してくれます。

レストランも国の習慣によってマナーが異なります。特に欧米の場合は、テーブルごとに明確にウエイターが決まっていて、ほかのウエイターに声をかけて注文するのは失礼な行為に当たりますし、チップの払い方や相場も国によって違います。また日本以外の多くの国では、大きな声で出してウエイターを呼ぶ行為はあまり好ましくありません。手をあげるか、アイコンタクトで呼びましょう。

どこでも使える便利なフレーズ

便利なフレーズとして、許可や要望を伝える「Can I ~(Can you~)」があります。これらは相手からYES,NO,Sure,Sorryといったわかりやすい返答を期待できます。ぜひ現地で使ってみてください。

現地語もおろそかにしないこと!

旅行者はあくまでも、その国にお邪魔させていただいているのですから、訪問している国の言語や文化に敬意を払うのは当然のことです。マイナー言語と馬鹿にせず、挨拶や感謝の言葉だけでも覚えて、現地語で伝えてあげると良いでしょう。きっと、現地の人は喜んでくれます。

最後に必要なのは「伝える気持ち」

中国の田舎やロシアなど、日本よりも英語の通用度が低い地域はたくさんあります。そのような地域では、小学生のころを思い出してください。授業中に先生の目を盗んでジェスチャーで交信して遊んだ日を・・・。信じられないかもしれませんが、表情や仕草だけでも、意外と通じるんです。びっくりするほどに・・・。大切なのは、伝える気持ちと、何よりも旅行を楽しもうとする姿勢だと思います。